OJTを成功させる3つの原則
- 剛 立川
- 1 日前
- 読了時間: 4分
1:OJTの計画が無かった
私はある工場で生産性向上の指導を行っていました。新規ラインの出来高と品質が目標に達していない点を指摘すると、製造部長は「半年前に入社した課長の管理が悪い」と説明しました。私は「新任課長を教育するのは部長の責任ではないか」と問い、OJTの内容や評価基準、計画表を求めました。しかし部長は「計画はないがOJTは行った」と答えたのです。私はこの管理者はOJTの考え方を理解していないと判断して、「計画のない教育はOJTではない」と指摘した後、OJTの具体的な指導を行ったのです。
■OJTを成功させる3つの原則とは
OJTとは「上司(先輩)が部下(後輩)に、仕事を通して実践的な知識や技術を教える教育のこと」です。OJTには3つの原則がありますが、管理者がこの原則を理解していないと、正しいOJTを行うことが出来ません。管理者には次のOJTの3つの原則を理解させることが大事です。
1:OJTは目的を明確にする
OJTを効果的に行うためには、「何を」「どのレベルまで」習得させるのかを、管理者自身が明確にしておく必要があります。
■ OJTの最終目的を明確にする
まず管理者は、「このOJTを通じて何ができるようになってほしいのか」という最終目的を明確にします。たとえば管理者育成であれば、「日常業務をPDCAで回し、業務管理ができるようになること」といった具体的な姿を設定します。技術者の場合であれば、「機械の調整を決められた時間内で行えるようになる」といった、業務に直結した到達目標を明確にすることが重要です。最終的なゴールを示すことで、OJTの方向性がぶれなくなります。
■ 目的から内容を具体化する
最終目的を設定したら、それを達成するために必要な要素を細かく分解します。たとえばPDCAで管理を行うためには、「確実に実行可能な計画を立案できる」「結果を確認し、改善点を考えられる」といった具体的な力が必要になります。また機械調整であれば、「調整に必要な基礎知識を理解する」「調整のポイントを覚える」「実作業を繰り返し行う」といった段階的な目的を設定します。このように目的を細かく明確にすることで、OJTの指導内容と評価基準がはっきりし、教育効果を高めることができます。
2:OJTは計画的に行う
効果のあるOJTを実施するためには、「とりあえず教える」「空いた時間に指導する」といった場当たり的な進め方では不十分です。OJTは教育活動であり、業務の一部として計画的に進める必要があるのです。
■ 現状と目的の差を整理する
まず行うべきことは、設定した目的に対して、現在どこまでできているのかを正確に把握することです。知識が不足しているのか、経験が足りないのか、それとも理解はしているが実践できていないのかを整理します。この差を曖昧にしたまま教育を進めると、必要のない内容を教えたり、逆に重要なポイントが抜け落ちたりしてしまいます。現状と目的の差を明確にすることで、OJTで教えるべき内容がはっきりします。
■ 無理のない具体的な計画に落とし込む
現状と目的の差が明確になったら、「誰が」「いつまでに」「どのような方法で」教育するのかを具体的に計画へ落とし込みます。この計画は、教える上司だけで一方的に決めるのではなく、教えられる部下と一緒に協議して作成することが重要です。双方で話し合いながら決めることで、納得感のある計画となり、無理なく確実に実行できるようになります。結果として、OJTが形だけで終わらず、着実に成果へつながります。
3:OJTは継続的に行う
OJTは、一度実施しただけで専門的な知識や技能を完全に習得できるものではありません。管理者は継続的にOJTを行うことを前提として教育を設計しなければなりません。
■ 繰り返し教えることを前提にする
知識や技能は、繰り返し教え、実際にやらせることで初めて身につくものです。初回のOJTでは理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまったり、自己流に変わってしまうことは少なくありません。だからこそ、管理者は同じ内容を何度も確認し、必要に応じて教え直す姿勢が重要です。OJTは単発ではなく、継続して行う教育活動であると認識する必要があります。
■ 継続できる計画と評価を組み込む
OJTの計画を作成する際には、最初から継続的に教えられる日程を組み込んでおくことが重要です。また、OJTの終了後には必ず評価を行い、習得度を確認します。その結果、理解や技能が不十分であれば、OJTの回数を増やしたり、教え方を見直したりします。このように計画・実施・評価を繰り返すことで、知識や技能を確実に定着させることができます。
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