部下の育成を効率的に行う3つのポイント
- 剛 立川
- 1 日前
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■部下の育成を正しく行っていなかった
ある工場で、製造部長が新任の製造課長に生産進捗の管理を教えました。何度か説明しましたが、課長は同じ確認漏れを繰り返し、生産の遅れにも気づけませんでした。私は教え方に問題があると感じ、製造部長に確認すると、「何度説明しても、指示どおりにできません」と答えました。課長に話を聞くと、製造部長は業務が忙しいため、課長への指導を口頭での説明だけで済ませていました。課長と実務を行うこともなく、理解度や実施状況も確認していませんでした。また、習得項目や期限を定めた育成計画もなく、指導は時間に余裕があるときだけでした。そこで私は、「説明して終わりではなく、理解度に合わせて実務で指導し、育成計画に沿って習得状況を確認することが重要だ」と指摘し、育成の方法を改めるよう指導したのです。
■部下の育成を効率的に行う3つのポイント
このように、口頭で説明しただけで、「課長だから理解できるだろう」と考える管理者がいます。しかし、部下の経験や理解力には違いがあり、同じ説明でも、全員が身につけられるとは限りません。効率的に育成するためには、次の3項目が必要です。
1:「説明した」と「理解できた」を区別する
説明を終えたことと、部下が内容を理解したことは別です。部下が自分の言葉で説明できるかを確認して、初めて理解できたと判断します。
■説明は理解度を確認して初めて完了する
製造部長は、管理方法を何度も説明したことで、指導は済んだと考えていました。しかし、口頭で伝えただけでは、課長が正しく理解したとは限りません。説明後に「生産が遅れた場合、何を確認しますか」「どの順序で対応しますか」と質問し、課長自身の言葉で答えさせます。説明の回数ではなく、部下の答えで理解度を判断することが大切です。
■「課長だから理解できるはず」という思い込みをなくす
課長であっても、経験や得意分野は一人ひとり異なります。生産計画の経験があっても、遅れの原因分析や対策の指示を十分に経験していない場合があります。役職だけで「分かるだろう」と判断せず、経験や力量を見極め、不足している部分を重点的に指導します。
2:実務を通じて具体的な方法を指導する
説明内容を理解していても、実務で正しく行動できるとは限りません。管理者が手本を示し、部下に実務に取り組んでもらい、具体的な進め方を習得させます。
■実際の仕事を一緒に進めながら指導する
生産進捗の管理では、計画と実績を見るだけでなく、遅れている工程を特定し、原因を確認して対策を指示します。こうした判断は、説明だけでは身につきません。製造部長は課長と現場を回り、確認する情報や判断の順序を示します。次に、課長にも実際に同じ手順で確認させます。現場で一連の流れを経験させれば、管理方法が身につきます。
■間違いを見つけたら、その場で修正する
誤った方法を続けると習慣になり、後から直すのに時間がかかります。確認漏れや判断の誤りを見つけたら、その場で正しい方法を教えます。その際、答えだけでなく、「なぜ確認が必要か」「見逃すと何が起きるか」という理由も説明します。理由を理解することで、同じミスを防ぎ、別の問題にも自分で対応できるようになります。
3:育成計画と確認方法を決め、継続できる仕組みにする
時間に余裕があるときだけ指導すると、内容に漏れや偏りが生じます。必要な能力を計画的に習得させるため、育成項目、期限、到達基準、確認方法を明確にします。
■習得する項目・期限・到達基準を明確に決める
「何を、いつまでに、どのレベルまで習得するか」を明確にします。生産計画の確認、進捗の把握、原因分析、対策の指示、上司への報告など、必要な能力を項目に分け、指導日、期限、到達基準を決めます。「一人で正しく判断できる」など、基準を具体化し、これに従って指導を進めます。
■育成状況を記録し、到達度を定期的に確認する
計画を作成しただけでは、部下の能力は向上しません。各項目の習得状況を記録し、決めた時期に到達度を確認します。基準に達していない項目は、次の指導内容と日程を決めます。すべての項目が基準に達したら、単独で担当できるかを判定します。進捗状況を見えるようにすることで、管理者が忙しくても指導の中断や確認漏れを防ぎ、計画的かつ効率的に育成できます。
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