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不良の原因を変化点から特定する方法

執筆者の写真: 剛 立川
剛 立川
9月7日
読了時間: 4分

■思い込みで不良原因を決めていた

ある工場で、寸法不良が繰り返し発生していました。管理者は「作業員の確認不足が原因です」と説明しましたが、数日後に同じ不良が再発しました。私は「最後の良品から最初の不良品までに、何が変わったのだ」と質問しましたが、管理者は答えられませんでした。不良品だけを見て作業員に原因があると決めつけ、材料、設備条件、作業方法の変化を調べていなかったのです。私は管理者に「正常時と異常時を比較し、変化点を確認せよ」と指示し、変化点から原因を調べる方法を指導したのです。


■品質不良の原因を変化点から特定する方法

品質不良が発生すると、「なぜ発生したのか」と考えます。しかし、最初から原因を考えると、経験や思い込みに影響されます。正常時と異常時を比較し、その間の変化点を調べることが必要です。管理者は問題発生時に次の3項目を実行します。


1:比較する対象と項目を決める

変化点を見つけるためには、何と何を比べるのかを明確にします。


■最後の良品と最初の不良品を比べる

不良品だけを調べるのではなく、不良が発生する直前に生産した良品を選び、同じ場所、同じ方法で確認します。形状、外観、寸法、不良の位置などを並べて比較し、どこから状態が変わったのかを明確にします。検査記録や生産実績から、正常に生産できていた範囲と異常が始まった範囲を分けます。比較する範囲を明確にすることで、調査する製品と時間帯を絞り込めます。


■同じ確認項目で比べる

良品では寸法を確認し、不良品では外観だけを見るなど、異なる項目を調べても正しく比較できません。製品、設備、材料、作業方法について確認項目を決め、正常時と異常時を同じ項目で並べます。「いつもと違う」「少しおかしい」などの曖昧な表現を使わず、記録、写真、現物を使って違いを示します。変化がなかった項目も記録に残し、確認していない項目と区別します。


2:変化した事実を時系列で調べる

良品から不良品へ変わる間には、原因につながる変化があります。管理者は人、設備、材料、方法に分け、発生前に起きた事実を作業の順番に沿って確認します。


■4Mの変化を書き出す

人では作業員の交代や作業内容、設備では停止や条件変更、材料ではロットや保管状態、方法では手順や検査方法の変更がなかったかを確認します。また、正式な変更の指示がなくても、設備の調整、刃具や治具の交換、材料の追加など、通常の作業として行ったことも書き出します。作業員に「何か変わったことはないか」と聞くだけではなく、普段の状態と一つずつ比べることで、本人が変化だと考えていなかった事実も見つけられます。


■発生前後を時系列で並べる

生産記録、設備履歴、材料交換記録などを集め、良品を生産していたときから不良を発見するまでに起きたことを順番に並べます。作業員への聞き取りも現場で行い、不良が発生する前にどのような作業を行ったのか、その後に何が起きたのかを確認します。人間の記憶は時間とともに曖昧になり、不正確な記憶を作り出してしまいます。証言だけに頼らず、現場・現物・記録を照合することで、変化した時点と内容を正しくつかめます。


3:変化と不良の関係を確認する

見つけた変化が、すべて不良の原因になるわけではありません。見つけた変化の中には、不良と関係のないものもあります。そのため、変化と不良の関係を確認してから原因を判断します。


■不良が発生する理由を確認する

見つけた変化について、「この変化によって、なぜこの不良が発生するのか」を考えます。設備条件が変わっていた場合は、その条件が製品の形状、寸法、外観などにどのような影響を与えるのかを、設備データ、過去の記録、技術資料などで確認します。変化と不良の発生を結び付けて説明できなければ、ほかの変化点も調べます。不良が発生する理由を事実に基づいて説明できるものを、原因の候補とします。


■条件を元に戻して確かめる

原因の候補が見つかったら、安全と品質を確保したうえで、変化した条件を正常時の状態に戻します。その結果、不良が発生しなくなるかを確認します。さらに、同じ変化が起きたときに、同じ不良が発生するかも確かめます。一度の結果だけで判断せず、同じ関係を繰り返し確認します。不良が発生する条件と発生しない条件を比較することで、その変化が本当の原因であることを、複数の事実に基づいて正しく特定できます。

 
 
 

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